きっと、この街で生きている人々の祖先をたどるとどこかで交差していて
人と人との点を線で結ぶと、やがて大きな円になって世界のかたちをつくり
過去に憎みあったかもしれない人々と同じ街で暮らしていて
同じ言葉をしゃべっている
そんな、小さな奇跡に似たものをふと感じながら歩くと
世界は本当に思ったより小さいものだと感じさせられる
肌の色、目の色、それらはカラフルに個性を彩るものであり
違う
ということを受け容れることがキーワード
そして知らず知らず、鱗のように脳みそに重なった偏見や差別を無くし
自分の頭をスポンジのようにしてくれること
それこそがマンハッタンという小さな島に溢れる
見落としがちな最大の魅力だと、ふとした瞬間に思います
こんにちは
日本ではもう桜が咲いているようですが、こちらはもう春かと思えば粉雪が舞ったり、雨が急に降ったりと、気まぐれな天気に翻弄されないようにまだ少し多めに着込んでいる状態です。
そして少し暗い、太陽が見えない日があるとロンドンの事を思い出します。晴れる事が少なかったイギリスの冬。雲の切れ間から太陽が出るのを待ち望んでいたのをよく覚えています。
思えばロンドンにいたのは四年前。
イタリア人と住み始め、働き始め、1年半の暮らしは、矢のように過ぎて。
不思議と、楽しかった思い出の中にはいつもイタリア人がいた気がします。
旅行でも数回訪れ、ローマで財布を盗まれたり、ミラノで持ち物全てを盗られたり。良い思い出ばかりではないけれど、彼等には感謝してもしきれない恩があると思います。人生は楽しいもの、細かいことを気にしてもしょうがないと彼等の生き方が、そう教えてくれた気がします。
遺伝子的には、かなりかけ離れたものを持つ日本人とイタリア人。
奔放で自由気ままに生きている様に見える彼等も、時々見せるナイーブな一面には日本人として少し共感できるところがある気がします。
納豆を冷蔵庫に入れていたら、臭いと言って捨てられました。そして僕は彼等のブルーチーズをゴミ箱に捨て返しました。ケンカになりました。でもすぐ仲直りしました。ワインを飲んで、ラザニアを一緒に作って。
長靴の国から来た彼等。ここNYでもイタリア人の友達が増えてきたのは偶然でしょうか必然でしょうか。
髪を切りに行ったらランチを作ってくれたお客さん。
ヴェネツィアから。
花よりエスプレッソ。
桜が待ち遠しいです。